Now Making

First Love # 33

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14 April 2007

背景の墨版

彫り上げるのに
ひと月かかってし
まいました

スカートの柄を決めるために、先にこの版を彫り上げる必要があります。

その後、それを他の版木に転写し、模様の他の色の部分を決めていきます。

色版に各色を分けていくためには、完全な色原稿が必要です。


これを見ながら、用意した色版用の版木に色ごとに必要な部分を取っていきます。


今回の色版の版木は13枚を予定しています。

この絵は、全体にたんぽぽの精をイメージしています。


春の柔らかい陽を受け、野にすっくと咲く一輪のたんぽぽ。


スカートの色使いは葉と花、その模様は綿毛をデザインした物です。

僅かに風を受けて。

黄色と薄墨色を取るための版木

22 April 2007

細い線などを三角刀や丸刀を用い、フリーハンドで彫るときなどは、彫り上がりの線を見やすくするために油性のインクを乗せる事があります。


この写真では赤のインクをローラーで乗せてあります。


乗せたインクを通して、下の墨版の線も見える事が必要です。


向かって右側の半分は、三角刀が入っています。


この様な彫かたを繧繝と呼び、彫によるボカシの効果が有ります。


下絵の濃い緑の部分のための版です。

部分の拡大


シナベニアにこのくらいの線を彫るには、彫刻刀を良く砥いでおく事が必要です。


切れない刀では、特に木目を横断するような線を残す事が出来ません。

丸い曲線などを一度の彫で仕上げる事はかなり難しいようです。

どんなに細心の注意を払って、刀を回すように彫っていっても、良く見てみると角張った所や線の太さが微妙に違ったところが出てきます。


私は初めから二回或いは三回、刀を入れるつもりで彫っていきます。


細い線なので、版の強度を増すために水で薄めたボンド…米のとぎ汁よりは濃く牛乳よりは薄い・・を版に含ませています。


明らかに彫りの感触が違います。粘り気が増し、硬さもますようです。



ボンドを塗っても摺りには影響しません。

ボンドはデザインの周りに刀が入った後、周りのさらいの前に一度、完全に線が決まった後にもう一度塗っています。

ボンドが乾いた後にいちど細かいサンドペーパーで表面を磨きます。

線が決まったので、ボンドをたっぷり含ませているところ。


乾いたらサンドペーパーを軽くかけ、その後周りをさらいます。

実践的な説明を交えて。

3 May 2007

MAY 27 . 2007